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 9 月



クサギ −シソ科−


ゲンノショウコ −フウロソウ科−
鳥が種を運んできたと思われるクサギが
ビオトープ池の水辺で丈を伸ばしています。
葉をちぎってもむとゴマに似た臭気があることで、
「臭木という和名がつけられましたが、
淡紅色の萼と白い花のコントラストが美しい花は、
甘い香りで、アゲハチョウやガを誘っています。
茎葉や根は薬用、実は染料とされた有用植物です。


下痢、腹痛、健胃整腸、湿疹、かぶれ薬として
重用されてきた薬草のゲンノショウコは、
葉や茎を煎じて飲むとすぐに効き目があったので
「現の証拠」と名付けられました。
神輿に似た実の形からミコシグサとも呼ばれます。
区内の国分寺崖線沿い緑地由来の株ですが、
西日本に多いといわれる紅色系の花色です。



コブナグサ −イネ科−


 ヒガンバナ −ヒガンバナ科− 

道沿いにエノコログサ、メヒシバ、イヌビエなどの
イネ科植物はよく見かけますが、
三宿近辺で珍しいと思われるのがコブナグサです。
葉の形をフナに見立てて、小鮒草と名付けられ、
湿った草地、あぜ道などに群生しています。
八丈島では刈安(カリヤス)と呼ばれ、
黄八丈の染料として使われています。



秋の彼岸の頃、真紅の花を咲かせるヒガンバナは
曼珠沙華(天上に咲く赤い花を意味する梵語)、
ハミズハナミズ(葉見ず花見ず)、シビトバナなど
50以上の地方名を持つと言われています。
稲作が日本に伝来した頃、救荒作物として中国から
人が持ち込んだ、又は球根が海を渡って
流れ着いたという2つの説があります。
鱗茎にアルカロイドを含む有毒植物ですが、
水にさらし、澱粉を採って食用にしたそうです。