第10回 秋の虫の音を聞く会   2014・9・13(土)     
                 
    天気:晴れ 気温:23℃ 参加者:13名 緑グループ:10名


西日本から北海道までの各地が豪雨に見舞われ、数十年に一度という災害が起きた2014年の夏でしたが、
東京でも69年振りにデング熱感染症患者が発生、患者数や地域の拡大が報道される日々でした。



そんな中、世田谷区では大規模公園に「注意喚起ポスター」を掲示する措置を取りましたので、
9月13日に第10回「秋の虫の音を聞く会」を計画していた三宿の森・緑グループは、
近隣小学校などを中心としたチラシの大量配布を見合わせることに決めました。

園内と近隣の区や町内会掲示板のポスターだけの広報となって、黄信号発進のイベントとなりましたが、
閉園後、5時半頃から親子連れ3組とシニア世代4人が三宿の森に集まってくださいました。
例年通り、展示した昆虫やビオトープ池のヌマエビやメダカを観察した後、
草の広場で虫採りにチャレンジして、オンブバッタやウスイロササキリを捕まえることができました。
日暮と共にツクツクボウシからアオマツムシへ鳴き声が代わり、ねぐらへ向かうホンセイインコの姿が見え、
アブラコウモリが餌を求めて飛び交い始めました。
今回もバットディテクター(超音波可聴化受信機)で普通には耳にできないコウモリの声を聞きました。
体重6〜11g、体長5cm前後、つばさを広げると20cmほどの大きさのアブラコウモリは、
人家をすみかとし、蚊などの小型昆虫を捕食する益獣で、「空飛ぶモグラ」とも称される哺乳動物です。
温暖化に伴って、冬眠をしないケースも見られるようになっているそうです。
暗くなった園内を一周して、虫の音を楽しみました。
外来種のアオマツムシがひときわ大きな声でなく中で、耳を澄ませると、
カネタタキ、オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギの声を聞き分けることができました。
懐中電灯を照らした中に、石の間を駆け抜けるヤモリやコオロギと共にヤマトゴキブリの姿も見られ、
「ゴキブリが鳴く虫だったら?」という話題でひとしきり盛り上がる場面もありました。
7時に青空クラスルームへ戻り、捕まえた虫を草の中へ戻して、秋の虫イベントを終了しました。

本来は寒さに弱いヒトスジシマカ(=ヤブ蚊)ですが、ヒートアイランド現象の大都会では、
冬でも生きながらえる可能性があると言われています。
過度に怖れることなく、注意は怠ることなく、今後の経過を見守っていきたいと思います。